好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
***
それから数日後、伯爵夫人は馬車に乗り、アリスの待つ侯爵領へと向かっていった。お土産話を楽しみにしていてね、と伯爵とレヴィに微笑みながら。
(ああ、本当に楽しみだな)
仕事をしつつ、レヴィはソワソワしてしまう。
急ごしらえではあるが、レヴィはアリスのためにできる限りの準備をした。
喜んでほしい。想いが伝わるようにと願いを込めて。
品物を選んでいる間中、レヴィはとても楽しかったし幸せだった。彼にもまだアリスにできることがある――――そう思えることが、本当に嬉しかった。
夫人の帰宅は夜遅くになる予定だ。レヴィがアリスの様子を聞けるのは明朝になるだろう。
――――そう思っていた。
けれどその夜。
「おかえりなさいませ、奥様」
レヴィは夫人を乗せた馬車を恭しく出迎え、ニコニコと微笑みを浮かべる。
「ああ、レヴィ……! アリスが……アリスが…………!」
しかし、夫人の悲痛な叫び声にレヴィは急いで顔を上げる。
それから彼は、驚きに目を見開いた。
それから数日後、伯爵夫人は馬車に乗り、アリスの待つ侯爵領へと向かっていった。お土産話を楽しみにしていてね、と伯爵とレヴィに微笑みながら。
(ああ、本当に楽しみだな)
仕事をしつつ、レヴィはソワソワしてしまう。
急ごしらえではあるが、レヴィはアリスのためにできる限りの準備をした。
喜んでほしい。想いが伝わるようにと願いを込めて。
品物を選んでいる間中、レヴィはとても楽しかったし幸せだった。彼にもまだアリスにできることがある――――そう思えることが、本当に嬉しかった。
夫人の帰宅は夜遅くになる予定だ。レヴィがアリスの様子を聞けるのは明朝になるだろう。
――――そう思っていた。
けれどその夜。
「おかえりなさいませ、奥様」
レヴィは夫人を乗せた馬車を恭しく出迎え、ニコニコと微笑みを浮かべる。
「ああ、レヴィ……! アリスが……アリスが…………!」
しかし、夫人の悲痛な叫び声にレヴィは急いで顔を上げる。
それから彼は、驚きに目を見開いた。