好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「お母様のおかげでこうして領地に帰ってこれたけど、夫はいずれ私のことを連れ戻しに来るわ。貴族の妻がいるという事実を作るために政略結婚をしたのだもの。当然だって分かってる。
だけど、ごめんなさい!
私……私は、冷たくて暗いあの部屋に一人で帰りたくない。誰にも存在を忘れ去られて、生きているのか死んでいるかも分からないような状態で、寂しく一生を過ごしたくないの! 誰にも愛されることなく、あの部屋でたった一人で死ぬぐらいなら、私は……私はもう! もう……」
「私が貴女を愛します!」
レヴィはもう、我慢できなかった。
「これまでも、これからも、ずっとずっと……貴方のことを愛しています。愛し続けます」
扉を開け、アリスを中へと引き込み、細く小さな体を力強く抱き締める。
『生きていたくない』
そんな悲しい言葉を、レヴィはどうしてもアリスに言わせたくなかった。
身分の違いがなんだ。倫理観がどうした。
そんなものより、アリスの心が、身体が、命が、レヴィには何よりも大事だった。
彼女を守るためならば、たとえ世間から後ろ指をさされようと、地獄に落ちようとも、悪魔に全てを売り払っても構わない。
命を落とすならば共に――――決して一人では行かせない。
覚悟は決まった。
レヴィはもう止まることも、振り返ることもしない。
だけど、ごめんなさい!
私……私は、冷たくて暗いあの部屋に一人で帰りたくない。誰にも存在を忘れ去られて、生きているのか死んでいるかも分からないような状態で、寂しく一生を過ごしたくないの! 誰にも愛されることなく、あの部屋でたった一人で死ぬぐらいなら、私は……私はもう! もう……」
「私が貴女を愛します!」
レヴィはもう、我慢できなかった。
「これまでも、これからも、ずっとずっと……貴方のことを愛しています。愛し続けます」
扉を開け、アリスを中へと引き込み、細く小さな体を力強く抱き締める。
『生きていたくない』
そんな悲しい言葉を、レヴィはどうしてもアリスに言わせたくなかった。
身分の違いがなんだ。倫理観がどうした。
そんなものより、アリスの心が、身体が、命が、レヴィには何よりも大事だった。
彼女を守るためならば、たとえ世間から後ろ指をさされようと、地獄に落ちようとも、悪魔に全てを売り払っても構わない。
命を落とすならば共に――――決して一人では行かせない。
覚悟は決まった。
レヴィはもう止まることも、振り返ることもしない。