好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「違うよ。俺はただ、大事なものを守るための力が欲しいだけだ。そりゃ、父上はまだ認めてくれていないけど、それでも俺は自分の考えを曲げるつもりはない」
その瞬間、二人の視線が静かに絡む。
何故だか居たたまれなくなって、メアリーはそっと顔を背けた。
「そっか……よくわからないけど、頑張ってね」
「ああ、頑張る。……だけど長いな。あと二年半か」
切なげに響くジェラルドの声。なんと答えればいいか分からず、メアリーは静かに目を伏せた。
「手紙、書けよ」
「……うん」
「次、頼ってくれなかったら、怒るからな」
「…………うん。ごめんね」
「謝らなくて良いんだって。俺はただ、メアリーに甘えてほしいだけだから」
あんなに甘えん坊だったジェラルドが、今度は甘えられる側になろうとしている。それがなんだかおかしくて、メアリーはクスクスと笑い声を上げた。
「――――帰りたくないな」
「……? 頑張るんじゃなかったの?」
そう思ったのも束の間、ジェラルドはやはりジェラルドだった。先ほどとは正反対のひどく甘えた口調で呟くものだから、メアリーはついつい意地悪な表情を浮かべてしまう。
その瞬間、二人の視線が静かに絡む。
何故だか居たたまれなくなって、メアリーはそっと顔を背けた。
「そっか……よくわからないけど、頑張ってね」
「ああ、頑張る。……だけど長いな。あと二年半か」
切なげに響くジェラルドの声。なんと答えればいいか分からず、メアリーは静かに目を伏せた。
「手紙、書けよ」
「……うん」
「次、頼ってくれなかったら、怒るからな」
「…………うん。ごめんね」
「謝らなくて良いんだって。俺はただ、メアリーに甘えてほしいだけだから」
あんなに甘えん坊だったジェラルドが、今度は甘えられる側になろうとしている。それがなんだかおかしくて、メアリーはクスクスと笑い声を上げた。
「――――帰りたくないな」
「……? 頑張るんじゃなかったの?」
そう思ったのも束の間、ジェラルドはやはりジェラルドだった。先ほどとは正反対のひどく甘えた口調で呟くものだから、メアリーはついつい意地悪な表情を浮かべてしまう。