好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
彼女の素直な心根が、明るい笑顔が、ステファンはとても好きだった。
男爵の娘だからと控えめだが、彼女の仕事はスピーディーかつ丁寧で、見ていてとても清々しかった。どんな仕事を頼まれても、嫌そうな顔一つすることなく、いつも笑顔で応じている。頼み事をするならば彼女が良い――――そう思わせる何かがメリンダにはあった。
また、仕事とは言え、彼女はよく幼い妹の話し相手にもなってくれていた。
『この間メリンダが【自分も外国語を習いたかった】って言っていたの。【わたしのことが羨ましい】って。
わたしは知らなかったのだけど、貴族の中でも特別裕福じゃなければ外国語や難しい算術は習えないんですって。優秀な先生が来てくれて、勉強を教えてもらえるのって当たり前じゃないのね。
だからわたし、たくさん勉強をして、メリンダに自分が習ったことを教えてあげることにしたの。そしたらきっと、メリンダは喜んでくれるわよね?』
メリンダは王女のやる気を引き出すことにも長けている。演技ではなく本心だからこそ、響くものがあるのだろう。
男爵の娘だからと控えめだが、彼女の仕事はスピーディーかつ丁寧で、見ていてとても清々しかった。どんな仕事を頼まれても、嫌そうな顔一つすることなく、いつも笑顔で応じている。頼み事をするならば彼女が良い――――そう思わせる何かがメリンダにはあった。
また、仕事とは言え、彼女はよく幼い妹の話し相手にもなってくれていた。
『この間メリンダが【自分も外国語を習いたかった】って言っていたの。【わたしのことが羨ましい】って。
わたしは知らなかったのだけど、貴族の中でも特別裕福じゃなければ外国語や難しい算術は習えないんですって。優秀な先生が来てくれて、勉強を教えてもらえるのって当たり前じゃないのね。
だからわたし、たくさん勉強をして、メリンダに自分が習ったことを教えてあげることにしたの。そしたらきっと、メリンダは喜んでくれるわよね?』
メリンダは王女のやる気を引き出すことにも長けている。演技ではなく本心だからこそ、響くものがあるのだろう。