好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「本当に? ショック〜〜」
「だよねぇ。短い恋だったなぁ。まあ、望みなんて最初からなかったんだけど!」
同僚たちがそんなことを言いながら笑っている。けれど、彼に本気で恋をしていたメリンダは言葉が出ず、上手に笑うことも出来なかった。
「お相手は公爵令嬢のリズベット様だそうよ。才色兼備で有名な」
「ああ、あの! そっか……リズベット様ならまあ納得できるかなぁ。殿下のお相手が中途半端なご令嬢じゃ嫌だものね」
「そうそう。以前夜会でお見かけしたことがあるけど、本当に素敵な方だったもの。嫌でもお祝いしなきゃって感じ」
望んでもいないのにもたらされる情報たち。メリンダはそれらを聞きながら、必死に心の整理をした。
(バカね……いつかはこんな日が来るって分かっていたでしょう?)
王太子であるステファンは世継ぎを残さなければならない。そのためには、誰もが認める令嬢と、程よい時期に結婚をする必要がある。
「だよねぇ。短い恋だったなぁ。まあ、望みなんて最初からなかったんだけど!」
同僚たちがそんなことを言いながら笑っている。けれど、彼に本気で恋をしていたメリンダは言葉が出ず、上手に笑うことも出来なかった。
「お相手は公爵令嬢のリズベット様だそうよ。才色兼備で有名な」
「ああ、あの! そっか……リズベット様ならまあ納得できるかなぁ。殿下のお相手が中途半端なご令嬢じゃ嫌だものね」
「そうそう。以前夜会でお見かけしたことがあるけど、本当に素敵な方だったもの。嫌でもお祝いしなきゃって感じ」
望んでもいないのにもたらされる情報たち。メリンダはそれらを聞きながら、必死に心の整理をした。
(バカね……いつかはこんな日が来るって分かっていたでしょう?)
王太子であるステファンは世継ぎを残さなければならない。そのためには、誰もが認める令嬢と、程よい時期に結婚をする必要がある。