好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
***
その日から、二人の秘密の関係がはじまった。
ステファンはこれまでどおり、朝も、昼も、夜もメリンダに声をかけ続ける。
「おはよう、メリンダ。今日も世界で一番可愛いね」
「こんにちは、メリンダ。君のお茶は美味しいと妹が褒めていたよ。僕も一緒に飲めたら良いのに。今度淹れに来てくれないか?」
「おやすみ、メリンダ。――――僕も君と同じ夢が見たい」
メリンダも相変わらずお世辞が上手いと笑い飛ばしつつ、二人は誰にも見られぬよう、物陰に隠れて手を繋ぐ。
互いの首筋には他人には見えないように残した唇の跡。
去り際には耳元でこっそりと愛を囁く。
そうして、真夜中には誰にも邪魔されることなく、二人きりで逢瀬を重ねた。
メリンダは決してリズベットとの婚約がどうなっているのか尋ねはしない。
そんなこと、知りたくないし、考えたくもない。
メリンダはただ、ステファンのそばにいたいだけ。
彼に愛されたいし、愛したいだけだ。
この関係がいつまで続けられるのか、どこに行き着くのか――――それらを考えることを、メリンダは完全に放棄してしまっていた。
その日から、二人の秘密の関係がはじまった。
ステファンはこれまでどおり、朝も、昼も、夜もメリンダに声をかけ続ける。
「おはよう、メリンダ。今日も世界で一番可愛いね」
「こんにちは、メリンダ。君のお茶は美味しいと妹が褒めていたよ。僕も一緒に飲めたら良いのに。今度淹れに来てくれないか?」
「おやすみ、メリンダ。――――僕も君と同じ夢が見たい」
メリンダも相変わらずお世辞が上手いと笑い飛ばしつつ、二人は誰にも見られぬよう、物陰に隠れて手を繋ぐ。
互いの首筋には他人には見えないように残した唇の跡。
去り際には耳元でこっそりと愛を囁く。
そうして、真夜中には誰にも邪魔されることなく、二人きりで逢瀬を重ねた。
メリンダは決してリズベットとの婚約がどうなっているのか尋ねはしない。
そんなこと、知りたくないし、考えたくもない。
メリンダはただ、ステファンのそばにいたいだけ。
彼に愛されたいし、愛したいだけだ。
この関係がいつまで続けられるのか、どこに行き着くのか――――それらを考えることを、メリンダは完全に放棄してしまっていた。