好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「そんなことないよ、メリンダ。君は自分を過小評価しすぎだ。
君は妹のお気に入りの侍女だし、可愛くて、優しくて、温かくて、一緒にいるだけで心が安らぐ。幸せな気持ちになれる人だ。
もしも足りない部分があると言うならば、これから一緒に努力をしていけば良い。心配は要らない。時間はいくらでもあるんだ。僕たちなら、きっと支え合って生きていける。僕はメリンダを愛して――――」
「殿下はわたしのことを愛してなどいません!」
ステファンの胸に、冷たくて鋭利な言葉の刃が突き刺さる。
メリンダの瞳からはポロポロと涙が零れ落ちていて、それだけでステファンの胸は張り裂けそうなほどに苦しくなってしまう。
「メリンダ? どうして……」
ステファンはメリンダを愛している。
それは彼にとって、あまりにも大切で、揺るぎない感情だ。
それなのに、それを真っ向から否定されてしまった――――そのことがステファンにはとても受け入れられない。
「――――言い方を間違えました。わたしはきっと、ステファン殿下を愛しておりません」
先ほどよりも残酷な言葉がステファンの心をズタズタに切り裂く。彼は呆然と膝をつき、メリンダのことを見上げた。
君は妹のお気に入りの侍女だし、可愛くて、優しくて、温かくて、一緒にいるだけで心が安らぐ。幸せな気持ちになれる人だ。
もしも足りない部分があると言うならば、これから一緒に努力をしていけば良い。心配は要らない。時間はいくらでもあるんだ。僕たちなら、きっと支え合って生きていける。僕はメリンダを愛して――――」
「殿下はわたしのことを愛してなどいません!」
ステファンの胸に、冷たくて鋭利な言葉の刃が突き刺さる。
メリンダの瞳からはポロポロと涙が零れ落ちていて、それだけでステファンの胸は張り裂けそうなほどに苦しくなってしまう。
「メリンダ? どうして……」
ステファンはメリンダを愛している。
それは彼にとって、あまりにも大切で、揺るぎない感情だ。
それなのに、それを真っ向から否定されてしまった――――そのことがステファンにはとても受け入れられない。
「――――言い方を間違えました。わたしはきっと、ステファン殿下を愛しておりません」
先ほどよりも残酷な言葉がステファンの心をズタズタに切り裂く。彼は呆然と膝をつき、メリンダのことを見上げた。