好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「お兄さんもあっちで一緒に遊ぼう!」
アリスはちっともめげなかった。レヴィの側に駆け寄って、ニコニコと楽しげに笑っている。
「触らないでください。汚いので」
アリスは薄汚れたレヴィの手を握ろうとした。だからレヴィはパッと身を翻し、彼女のことを睨んでしまう。
幼い子を相手に申し訳ないと思わないでもない。だが、彼女を汚したとあとで怒られるよりはマシだろう――――そんなふうに言い訳をする。
「え? アリス汚い?」
どうやらアリスは、彼女自身が汚れていると言われたものと受け取ったらしい。己の手のひらを見つめながら、瞳をパチクリさせている。
レヴィは首を横に振り、「あなたのことじゃありません」と口にする。
「お兄さんはとっても綺麗だよ?」
「いいえ、お嬢様。僕はとても汚れています」
「え〜〜? 綺麗なのに。それに、汚れているならお水で洗えば良いんじゃない?」
「いいえ。僕たちはお嬢様と違って、いつでも好きなときに水が使えるわけじゃないんですよ」
「そうなの? 知らなかった」
アリスはちっともめげなかった。レヴィの側に駆け寄って、ニコニコと楽しげに笑っている。
「触らないでください。汚いので」
アリスは薄汚れたレヴィの手を握ろうとした。だからレヴィはパッと身を翻し、彼女のことを睨んでしまう。
幼い子を相手に申し訳ないと思わないでもない。だが、彼女を汚したとあとで怒られるよりはマシだろう――――そんなふうに言い訳をする。
「え? アリス汚い?」
どうやらアリスは、彼女自身が汚れていると言われたものと受け取ったらしい。己の手のひらを見つめながら、瞳をパチクリさせている。
レヴィは首を横に振り、「あなたのことじゃありません」と口にする。
「お兄さんはとっても綺麗だよ?」
「いいえ、お嬢様。僕はとても汚れています」
「え〜〜? 綺麗なのに。それに、汚れているならお水で洗えば良いんじゃない?」
「いいえ。僕たちはお嬢様と違って、いつでも好きなときに水が使えるわけじゃないんですよ」
「そうなの? 知らなかった」