幼馴染みの秘めた溺愛  ~お前は女神でヒーローで
二人は幼馴染み
五月の爽やかな風が気持ちの良い午前9時。
私が家を出たところで、こちらに向かって歩いてくる幼馴染みを発見。

「おかえり、樹王(きお)、お疲れさま。忙しかった?」

「おう、ただいま。今日は出動はなし。平和で何より。美桜(みお)とこんな時間に会うとか珍しいな」

「うん、これからオカちゃんと会うの」

「仕事か。…あ!急で悪いんだけど今日の夜ってまた頼めるか?」

「うん、仕事も落ち着くから行けるよ。合コン?」

「あぁ、面倒だけどな」

「了解。じゃあ後で連絡して」

「さんきゅ。これから電車だろ?気を付けて行けよ」

「ありがと。樹王もしっかり休みなよ」

「おう」

そして私は最寄り駅へ、樹王は自宅へと足を進めた。


私が樹王に頼まれたのは、飲み会後のお迎え。
でも真の目的はお迎え自体よりも彼女のフリをすること。

樹王曰く「しつこい女に美桜を彼女だと見せると大抵は黙る」んだって。

こんな女で役に立つならいくらでも使って!と言っているけど、実は彼女のフリが嬉しい私。
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