幼馴染みの秘めた溺愛  ~お前は女神でヒーローで

「美桜……俺と結婚してほしい」


まっすぐに見つめられて言われた言葉は…
プロポーズ。

「え?…け、っこん?」

聞き間違いじゃないよね…?


「あぁ…俺の奥さんに…なってほしいんだ」

「ほんとに…?」

ほんとなんだよね?嘘じゃないよね?


「俺…美桜を…愛してるんだ…他の男に…取られたくねぇ」


ぼろぼろと嬉し涙が頬を伝う。

「ほんとにあたしでいいの?こんな女だよ?」

「美桜がいいんだよ…好きだ…美桜」


樹王の手を握って、私も告白する。

「私もずっとずっと小さい頃から樹王が好きだったよ、もちろん今も、これからもずっと好きだから!」

「じゃあ…奥さんになって…くれるか?」

「うんっ……あのね、後出しになっちゃうけど…樹王が元気になったらね『私を樹王の奥さんにしてください』って…言おうと思ってたの」

「ありがとう、美桜…すげぇ嬉し…」

「あたしこそ…ありがとう、樹王…大好きだよ」

「こんな姿で…プロポーズとか…情けねぇ男なのに…ありがとな」

「ううん、全然情けなくなんてない!鷹取を助けた樹王はカッコいいよ!あたしの自慢の旦那さまだよ!…それに引き換えあたしはダメダメだね」

「…何で?」

「樹王を守れなかった…ごめんね、痛かったよね、苦しかったよね」


「いや…俺が死なずに…済んだのは…美桜の…おかげだし」

「え?」

「俺…意識が…遠のいても…美桜のこと…考えてて…このまま…死ねねぇって」

「樹王…」

「まだ…美桜を…抱いてねぇのに…ってな」

「なっ何それ」

「はは…それは冗談…でもねぇけど…でも美桜に…引っ張って…もらったんだ…生きるんだ、って」

「樹王…」
そこまで私を想ってくれてたんだ…

「だから美桜は…すげぇ女神だよ…俺だけのな」

「ありがとう…」
また涙が止まらなくなる…

「元気になったら…抱いてもいい?」

はわっ!…直球すぎてドキドキが痛い。

「うん…だから…早く良くなってね」

って、これじゃ私の方が楽しみにしてるみたいじゃない!?
…まぁいっか、ふふ。

「やべぇ…嬉しすぎて…眠れねぇかも」

「ダメだよ、ちゃんと寝てね。…あ、もう時間だ、帰らないと…。じゃあ…また明日来るね」

「泊まって…いかねぇ?」

「あは、そうしたいけどそれはさすがに無理だよ」

「そっか、残念。…美桜」

「ん?」

「今日の美桜…すげぇ綺麗だ。今度また見せて」

「ありがと。ふふ、じゃあ退院したらね」

「さんきゅ…明日も…待ってるから」

「うん、必ず来るよ。…おやすみ」

「あぁ…おやすみ」


…ぱたん。


もう…嬉しすぎてどうしたらいいかわからない…


樹王が生きててくれただけでも嬉しかったのに…まさかプロポーズって…

ドキドキが止まらなくて…私も眠れないかも…
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