幼馴染みの秘めた溺愛  ~お前は女神でヒーローで
幼稚園での一件から少しずつ責任感が強くなった樹王は、小学校ではクラスのリーダー的存在に。

中学から始めたバレーボールも、高校では一年からエースとして活躍し、県大会で優勝に導くなど、皆のヒーローになっていた。
それでいて身長も180㎝を超えイケメンな樹王はまさにアイドル状態。

かたや私はその頃から漫画家志望で、美術部でデッサンなどをじっくりと学んでた。


いつしかそんな私達が、幼馴染みであり、誕生日まで同じだと知られるようになると『なんちゃって双子コンビ』と校内でも有名になり、私達は減らず口をたたきながらも仲が良かった。

どちらかの家で一緒に宿題や試験勉強もしたし、悩みも相談し合ったし、私の描いた漫画も一番に見てもらったりと、楽しさや嬉しさの他、苦しみや悲しみも共有していた私達は、本当に双子の兄妹みたいだった。


でもいつの頃からか…気付いたら樹王を男の人として好きになってた。

幼心に感じた恋心は、歳を経るにつれ大人の恋心に変わっていった。

でも未だにそれは見せずに、何でも言い合える兄妹の様な幼馴染みをしてる。


だって、この関係が壊れてしまうのが、
樹王に嫌われるのが怖いから…


だから…私はこの恋心を隠してる。
< 4 / 38 >

この作品をシェア

pagetop