遊木くんの様子がおかしい
「遊木くん」
「んー?」
「男子グループでさ、いつもどんな話してるの?」
気になってたことを聞いてみる。
遊木くんが話しやすいから、なんかどんどん緊張しなくなってくるんだよね。
もっと早く話し掛けてれば良かったなって思うくらい。
「え〜なんだろ。……テレビとかその日の出来事とか?
いざ聞かれると分かんなくなるな」
「へぇー」
「あ、うるさいって思ってた?」
「えっ、あ、違う違う!
むしろ羨ましいなって思ってたくらいで…」
「えぇ? まじで?」
そうだったの? と半信半疑で笑う遊木くんに、私はコクコクと何度も頷いた。
うるさいだなんて……そんなわけない。
だってずっと楽しそうで、キラキラしてて。
どんなことでも楽しく変えられそうな彼らがすごく羨ましかった。
「羨ましいかなぁ」
「少なくとも私はね。だって毎日楽しそうじゃん」
「内容はしょーもないよ。
てか三島は毎日楽しくないの?」
「いや…楽しいのは楽しいんだけど!
もっと楽しそうっていうか…」
…羨ましいって思うのは変なのかな。
でも、ほんとにそう思ってたんだ。