遊木くんの様子がおかしい



「皆は来なかったの?」



ラテを飲みながら私が尋ねると、遊木くんは一瞬きょとんとする。




「あ…他の男子!」


「あーー今教室でスマホゲーしてるから」


「遊木くんはやらないの?」


「うん。あんまゲーム興味無い」




ゴクゴクとラテを飲みながらそう話す遊木くんをじっと眺める。



……そうなんだ。

遊木くんも皆とゲームで盛り上がったりしてそうだったけど。


ていうか、ラテどうなのかな。

ゴクゴク飲んでるし美味しかったってことでいいのかな?


…そういうことにしておこう。




「…じゃあ、自分だけゲームしなくて気まずいから逃げて来たって感じ?」


「え、何それ。気まずいとかはないよ」




そんな感じじゃないから安心して。と笑う遊木くんにちょっとホッとした。


まぁ、女子じゃないしそういうのはないか。

ましてやこの遊木くんだし。




「隣の席の子が教室にいなかったから、自販機かなーって思って来てみた」


「あぁー…………って…」


「ちょっと話したかったからちょうどいいやってね」


「……」




……“隣の席の子”って……

絶対に私じゃん。


しかも“ちょっと話したかった”って…どういうこと?

その為に私を追いかけて来たってこと?



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