遊木くんの様子がおかしい





――――……



「めぐみん! うさぴょん!」




勢い良く私と恵美を呼びながらやって来たのは、クラスメイトの(みなみ)ちゃん。

1年生の時から同じクラスで、このあだ名を付けたのも南ちゃんだったりする。




「どうしたの?」


「急なんだけど、どっちか合コン興味ない!?」




……え?

ご、合コン??




「なんでまた急に」


「実は明日あるんだけど、一人女の子来れなくなっちゃって…」


「わぁ…それは大変だね…」


「私達以外には聞いたの?」


「聞いたよぉ〜…。でも急過ぎて今のとこ全滅で……」




はぁ~、と大きな溜息を漏らす南ちゃんは相当疲れてる様子で。

ずっと他に行ける子を探し回ってたんだろうな。



……なんだか気の毒だ。




「悪いけど、私は彼氏いるから無理なんだよね」


「あーーほんとじゃん。めぐみん彼氏いたわ…」


「……」


「…うさぴょんは?」


「…私は彼氏いないけど…」


「え! じゃあ来てくれない!?」




ぎゅっと私の手を握って迫ってきた南ちゃん。



う……私が合コンなんて……

なんか場違い感がすごいんだけど。




「合コンとか行ったことないけど…大丈夫かな?」


「そのへんは全っ然だいじょーぶ!
困った時はあたしがフォローするし、うさぴょんは普通にご飯食べるくらいの感覚で来ていいよ!」


「……ほんとに?」


「ほんとに!! 交流しなきゃとか彼氏作ろうとかうさぴょんは気にしなくていいし! ね!!」


「必死だね南」


「そ、それなら…行く!」


「わあー! うさぴょんありがとー!!」




そんなに喜んでくれるとは…。

それほど困ってたってことだよね。


正直合コンなんてめちゃくちゃ緊張するけど、南ちゃんの役に立てるならいいかなって思った。

一回は行ってみたいかもっていう興味はあったし。


< 22 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop