遊木くんの様子がおかしい
――――――……
「それで、今日は和也くんと放課後デートってわけね」
にんまりと嬉しそうに笑う南ちゃんに、私は恥ずかしくなって小刻みに頷いてみせた。
あの合コン以来、連絡先を交換した和也くんとはちょくちょく連絡を取り合っている。
そして南ちゃんの言う通り、今日は和也くんと放課後にクレープを食べに行く約束をしているわけで。
これはぶっちゃけ順調と言っていいかもしれない。
「羨ましい! でもほんと良かった!
急遽来てもらったし、うさぴょんが良い人と出会えたならこっちも救われるよぉ」
「そんなそんなっ、ありがとう南ちゃん!」
「そのままその和也って人と付き合ったら、南は宇紗子のキューピットだね」
恵美の言葉に南ちゃんは「最高すぎる」と目を輝かせた。
……どうなるかはまだ分かんないけど、和也くんのこともっと知りたいなとは思う。
まだ一回しか会ってないし。
でも、ほんとに雰囲気が穏やかで話しやすいんだよね。
「あ、遊木!」
南ちゃんの言葉に反応して隣を見ると、登校して来た遊木くんが机の上にリュックを置いていた。
今日は割と遅めな登校だ。
寝癖もちょっと残ってる。