遊木くんの様子がおかしい





――……



「お待たせ…!」


「あ、やっほ〜宇紗子ちゃん」




待ち合わせ場所で先に待っててくれてた和也くんは、私に気付くと優しい笑顔で手を振ってくれる。

それから早速クレープ屋に向かい、それぞれ好きなクレープを買ってテラス席に座った。




「美味しいっ」


「んふふ、可愛いねぇ宇紗子ちゃん」


「……うぇっ!?」


「あはは〜癒されるわぁ」




満足そうにこちらを眺めながら、クレープを食べ進める和也くん。


和也くんって…結構素直というか……。

なんでもさらっと言えちゃうんだね。


すごいや。




しばらく談笑を続けながらクレープを食べていく私達。

話せば話すほど和也くんの優しさを感じられて。

すごく魅力的な人だなぁと思うようになってきた。




「……」


「……」




でも、それと同時に抱く謎の違和感。

それに気付いたのは、クレープを食べ終わった頃だった。




「……へぇ〜そうなんだ〜」




優しい笑顔で相槌を打つ和也くんの視線は手元のスマホから動かない。


さっきからよくスマホいじってるなぁとはなんとなく思ってたけど

クレープを食べ終わってからはすっかりスマホに集中するようになってしまった。



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