遊木くんの様子がおかしい
「そういや、クレープ美味かった?」
「あ! 美味しかったよ!」
「いいなー。俺も食べよっかな」
「はっ、じゃあ今日のお礼に私が奢るよ!」
そう言ってガタッと席を立とうとしたところ、座ったままの遊木くんは私の制服の袖を軽く掴んだ。
「いやいや、お礼って程のことしてないし」
「え、でも…」
「じゃあ三島もジュースかなんか頼んで一緒に居座ってよ。再クレープしてもいいし」
遊木くんはそう言いながら私を椅子に座らせた。
……一緒に居座ってって……
そんなこと言われちゃったら、もう私はそうするしかなくなっちゃうよ。
「分かった…」
「やった、サンキュー」
「でもさすがに再クレープはやめとく…」
「だよね〜。じゃー買って来る」
「えっ、」
私が止めようとする間も無く、遊木くんはスタスタとレジの方へ向かって行ってしまった。
私も一緒に買いに行かなくて良かったのかな。
まぁ、とりあえず待っておこうか。
……でも、ほんとに遊木くんが来てくれて良かったな。
助けて(?)くれたのも嬉しかったし、
こうやって2人で話せてるのも……嬉しい。
それに、友達って思ってもらえてたし!
なんか今日ですごく距離が縮まった気がする。
……って、私……
なんでこんなに遊木くんに心動かされまくっちゃってるの?