遊木くんの様子がおかしい
いや、待って待って!?
「何言ってんの!?」
「だって普通そう思うよ。仲良くなって嬉しそうだし、目で追ってるし、ときめかされてるし」
「……そ、」
それは……そうなんだけど。
いや、正直私も思ったよ?
恵美には言ってないけど、遊木くんに対してドキドキしてるし、どう思われてるかめちゃくちゃ気になってるし。
でも…………
“好き”かって言われたらもちろん好きだけど、恋愛感情としての“好き”とはまた違うような気がして……。
遊木くんと私がそういう風になるのが全く想像出来ないというか。
こう……友達としてもっと仲良くなりたいって思っちゃうんだよね。
なんてうーんと考え込んでいると、不意にピーッと先生の笛が鳴り響いた。
「おーい皆〜。中途半端に時間余ってんだけど、このままバレーの練習続けるか、今から全体でドッジボールするか、どっちがいい?」
先生の言葉にワッと歓声が上がる。
もちろん、食い付いたのは「ドッジボール」というワードだ。
「ドッジ!!」
「やべぇ、体育でドッジ出来るとか最高じゃん」
「先生神」
男女共に次々と言葉が飛び交い、結局ドッジボールをすることになった。
ドッジボールとか中学以来だな。
別に得意ってわけでもないけど、私も割とドッジボール好きだから嬉しいや。