遊木くんの様子がおかしい




「あ、遊木邪魔になってるぞ」
「ごめんよー」




男子達の声が奥から聞こえくる中、目の前の男子がくるっとこちらを振り返る。

目の前にいたのはやっぱり遊木くんだった。




「……」




すぐにどいてくれるのかと思いきや、じーっと私を見つめたまま動こうとしない遊木くん。



……え?

遊木くん?




「……」


「……?」


「…え、何?」
「遊木どした?」




かなり距離が近くて、上から見下ろされてるこの状態は中々圧がかかる。

というか皆見てるし恥ずかしいんだけど!?




「……三島って」


「??」


「ちっちゃいな」




ようやく口を開いたかと思えば、

平然とした顔でそんな発言をする遊木くん。


当然、その場にいた全員が頭にハテナマークを浮かべた。




「…はい?」


「ちょ、まじで遊木どした」
「いきなり失礼だなコイツ」


「三島って身長何センチ?」


「……えっ…と、154…」


「へぇー」




へぇーって。

さすが、凄まじいマイペース……。


男子達の声なんて聞こえてないのかってくらい無反応だし、ほんとに遊木くんの考えてることは分からない。


……そして、なんで私はこんなにドキドキしちゃってるんだ。



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