遊木くんの様子がおかしい
「あはは……無事助けられて良かったよ」
「うん。三島さんって優しいね」
「……いやいやそんな…」
まずい。
顔の熱が治まらない。
そんなド直球に褒められちゃうとさすがに照れるよ!
「優しいのは鹿野くんもだよ!」
「え? 俺?」
「ずっと前の体育の時! ドッジで私守ってくれたじゃん!」
「…あぁ! そういえばそうだった」
なんだか嬉しそうに笑う鹿野くん。
笑顔が眩しいな。
「あれ…ヒーローみたいでかっこよかった!」
「ヒーローって。でも、守れて良かったよ。
あれで失敗してボール落としてたらかっこ悪すぎだし」
「そんなことないよ!」
そして私達は二人で笑い合う。
……なんか、居心地が良いな鹿野くん。
私のことなんて見てくれてたし、人を不快にさせない話し方だし。
よく笑ってくれて、安心するし。
…こういう人が彼氏だったら、幸せになれそうだな。
って、何考えてんだろ。
「…あ、ごめんそろそろ行かなきゃ」
「友達待ってるもんね」
「そう。
……あの、良かったらなんだけど」
「?」
「連絡先交換しない?」
えっ。
と、びっくりしちゃったけど、
今回話して割と仲良くなれた気がしてるし、連絡先くらい同学年だし交換するのは普通だよね。
ということで鹿野くんと連絡先を交換して、彼はその場を後にした。