遊木くんの様子がおかしい





――「いいんじゃない?」




次の休み時間に早速私は恵美に相談した。

すると、返ってきたのはそんなあっさりとした回答。


え、いいの……?




「私……遊木くん(小声)のこと好きなのに…?」


「だって付き合ってないじゃん」




う……それは私も思ったけど。




「それに遊木くん達はあの男子グループで回るんでしょ?」


「……多分」


「それなら仕方ないじゃん。宇紗子が嫌じゃないなら全然いいと思う」




……そうなのかな。

まぁ、恵美が言うならちょっと安心するけど。




「と、言いつつ私も鹿野くんいてくれた方がありがたいんだよね」


「うん、彼氏と回れるもんね。私も恵美には彼氏と回ってもらいたいし」


「うっ…ごめん、ほんとそれに関してはありがたい。

私は宇紗子、彼氏の3人で回ることになって宇紗子が気まずくなっちゃわない方が良いなって意味だったけど…」




あはは…と苦笑いする恵美を、私も「ありがと!」と背中を叩いて笑った。




「よし、とりあえず遊木くんが回る人決まってるかちゃんと聞いてみる」


「お」


「そんで決まってたら、鹿野くんと回ることにするよ」


「ん、そうだね」




もし遊木くんがそれで回る人決まってないなら、勇気を出して誘ってみよう。


先に鹿野くんから誘われてるのに、遊木くんを後から誘うのは悪い気がするけど…。


……いや、だいぶ悪いかな。


もうそうなったら鹿野くんに事情を話すしかない。


聞かれてないのにそんなこと言うの迷惑かもだけど。



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