帰国子女の彼と過ごす日々はきっと甘くなるだろう
冬休みに突入
〇梨沙の部屋
2学期の終業式を終え家に帰った桜井梨沙(さくらいりさ)、高校2年の冬だった。
制服のままベッドに横になる。
梨沙 (大掃除、疲れたなぁ……)
終業式の後、恒例になっている生徒会役員の引き継ぎ兼大掃除、梨沙は11月の役員選挙で生徒会長になってしまった。
実は1年から生徒会の手伝いをしていた。
きっかけは中3の合格発表の日に遡る。
【回想】
その日は大雨だった。
私は合格発表を見るために歩いて学校に行き門をくぐろうとした時だった。
乱暴なスピードを出した車が水溜まりを勢いよく走り私は下半身が泥だらけになってしまったのだ。
その時に走ってきてタオルを貸してくれた先輩……
吉永光哉(よしながこうや)先輩だった。
無事に合格を確認できた私は入学したらタオルをお返ししたいのでと言って名前とクラスを聞いた。
吉永 「クラスは2年何組になるかわからないから生徒会室にいると言っておくよ」
梨沙 「ありがとうございました!」
入学してからタオルを返しに生徒会室に行くと、人手が足りないんだけど手伝ってくれないかとその時の生徒会長に頼まれ、そのまま秋の役員選挙に立候補して庶務で当選し晴れて生徒会役員になった。
【回想終了】
同じ時の選挙で生徒会長になった吉永先輩とは今日でお別れだったのだ。
前役員と新役員で大掃除をし、最後にお茶をして終了となった。
完全な私の片思い……
先輩が会長に当選した選挙で石橋すみれ(いしばしすみれ)先輩が副会長になってからは2人の距離は近かった。
でも、会長に付き合っているかも聞けなかったし、告白する勇気もなかった。
生徒会内で付き合った、別れたなんて揉めるのも嫌だったのだ。
それに私は元々先輩の為に生徒会の仕事をしただけで会長じゃなくなるなら私は選挙には立候補しなかった。
なのに次の生徒会長になってしまった。
それは立候補者がいなかったのだ。
そこで先生と先輩にどうしてもと頼まれ、仕方なく引き受けることにした。
先輩から頼まれなかったら絶対に引き受けてはいないだろう。
頼まれると断れなかった弱い私……
吉永 「卒業してもわからないことがあったらいつでも教えるから連絡してきて」
そこまで言われると……
梨沙 「わかりました……」
返事をしてしまった。
これから受験を控えてる先輩になんて相談なんかできっこない。
わかってたのに……
こんな自分が嫌になる性格、あと先輩に嫌われたくないという不安……
梨沙 「まあ、仕方ないか、なんとかなるでしょ!」
自分に言い聞かせてそのままベッドでウトウト寝てしまっていた。
外からは車の音と人の声
急に賑やかになって梨沙は目が覚めたのだ。
携帯の時計を見ると16時だった。
ベッドから起き上がって窓から外を見ると隣の大きな御屋敷の庭にはトラックが何台も停まっていた。
家の中と外を出入りしている業者、その庭の真ん中にはママがいた!
梨沙 「ママ!?」
梨沙は急いで制服を脱いで着替えをして部屋から出て行った。
2学期の終業式を終え家に帰った桜井梨沙(さくらいりさ)、高校2年の冬だった。
制服のままベッドに横になる。
梨沙 (大掃除、疲れたなぁ……)
終業式の後、恒例になっている生徒会役員の引き継ぎ兼大掃除、梨沙は11月の役員選挙で生徒会長になってしまった。
実は1年から生徒会の手伝いをしていた。
きっかけは中3の合格発表の日に遡る。
【回想】
その日は大雨だった。
私は合格発表を見るために歩いて学校に行き門をくぐろうとした時だった。
乱暴なスピードを出した車が水溜まりを勢いよく走り私は下半身が泥だらけになってしまったのだ。
その時に走ってきてタオルを貸してくれた先輩……
吉永光哉(よしながこうや)先輩だった。
無事に合格を確認できた私は入学したらタオルをお返ししたいのでと言って名前とクラスを聞いた。
吉永 「クラスは2年何組になるかわからないから生徒会室にいると言っておくよ」
梨沙 「ありがとうございました!」
入学してからタオルを返しに生徒会室に行くと、人手が足りないんだけど手伝ってくれないかとその時の生徒会長に頼まれ、そのまま秋の役員選挙に立候補して庶務で当選し晴れて生徒会役員になった。
【回想終了】
同じ時の選挙で生徒会長になった吉永先輩とは今日でお別れだったのだ。
前役員と新役員で大掃除をし、最後にお茶をして終了となった。
完全な私の片思い……
先輩が会長に当選した選挙で石橋すみれ(いしばしすみれ)先輩が副会長になってからは2人の距離は近かった。
でも、会長に付き合っているかも聞けなかったし、告白する勇気もなかった。
生徒会内で付き合った、別れたなんて揉めるのも嫌だったのだ。
それに私は元々先輩の為に生徒会の仕事をしただけで会長じゃなくなるなら私は選挙には立候補しなかった。
なのに次の生徒会長になってしまった。
それは立候補者がいなかったのだ。
そこで先生と先輩にどうしてもと頼まれ、仕方なく引き受けることにした。
先輩から頼まれなかったら絶対に引き受けてはいないだろう。
頼まれると断れなかった弱い私……
吉永 「卒業してもわからないことがあったらいつでも教えるから連絡してきて」
そこまで言われると……
梨沙 「わかりました……」
返事をしてしまった。
これから受験を控えてる先輩になんて相談なんかできっこない。
わかってたのに……
こんな自分が嫌になる性格、あと先輩に嫌われたくないという不安……
梨沙 「まあ、仕方ないか、なんとかなるでしょ!」
自分に言い聞かせてそのままベッドでウトウト寝てしまっていた。
外からは車の音と人の声
急に賑やかになって梨沙は目が覚めたのだ。
携帯の時計を見ると16時だった。
ベッドから起き上がって窓から外を見ると隣の大きな御屋敷の庭にはトラックが何台も停まっていた。
家の中と外を出入りしている業者、その庭の真ん中にはママがいた!
梨沙 「ママ!?」
梨沙は急いで制服を脱いで着替えをして部屋から出て行った。