帰国子女の彼と過ごす日々はきっと甘くなるだろう
〇陽翔の家


梨沙 「あれ、まだ帰ってない」


夕食の時間になっても陽くんが来ないし、LINEも既読が付かないから寝てるかと思って夕飯を持ってきたのに、玄関には靴がなかった。


〇ダイニング


エアコンを付けてテーブルの上にグラタンとサラダを置く。


夕食が要らない時はLINEしてくれるはずなんだけどな……

しばらくすると玄関を開ける音がした。


陽翔 「あっ、ただいま、梨沙」


梨沙 「おかえり、遅かったね、寄り道?」


陽翔 「蓮達と遊んでた。」


携帯を開く


陽翔 「ごめんね、LINE気づかなかった、カラオケ行ってたから」


梨沙 「蓮って香川くん?」


陽翔 「うん、今日は8人でカラオケ行った」


梨沙 「女子も?」


陽翔 「男4人、女4人だったかな」


梨沙 「クラスの女子?」


陽翔 「いや、制服が違ったから別の学校かな」


梨沙 「それって合コンじゃん」


陽翔 「合コン?」


梨沙 「まあ、いいや着替えてきなよ、ごはんにしよ」


陽翔 「うん、あっ、サラダだけでいい、あまりお腹減ってないから」


陽翔は部屋に上がっていった。


梨沙 (も〜家に来ないから心配して持ってきたのに……友達が出来たのはいい事だけど)


梨沙 「そんな、すぐ合コン行くかな!」



冷蔵庫からドレッシングを出してドンと勢いよく置いた。


梨沙 (何でイライラしてるの?私は…)


陽翔 「寒い、寒いよ〜」


陽翔が寒そうに降りてきた


梨沙 「寒いなら朝の味噌汁を温めようか?」


陽翔 「うん、お願い」


梨沙 「食べてきたの?」


陽翔 「うーんポテトとか唐揚げとか?軽くつまめるものをみんなで注文してたからそんなにお腹は減ってない、ごめんね、グラタンは明日の朝に食べる」


梨沙 「わかった」


梨沙の温めたお味噌汁をフーフーして飲んでいく。


梨沙 「香川くんらのグループといることにしたの?」


陽翔 「蓮は…モグモグ…父親同士が同じ会社で…毎年パーティーがあってさ、その時だけ日本に帰ってたんだよ、で、子供達だけで遊んでた。でも僕らは翌日の朝帰るからこっちの家には寄れなくて……梨沙に会いたかったんだけどなぁ……」


梨沙 「へえ、お父さんが同じ会社ね〜」


陽翔 「蓮とこは今は家族は東京らしい、蓮は一人暮らしで学校に通ってるんだって、僕と一緒だ」


梨沙 「うちの国際文理科に通いたかったなのかな」


陽翔 「まあ、英語は話せるようにはなりたいって言ってた」


梨沙は陽翔の食事を下げた。


陽翔に背中を向け洗い物をする。


梨沙 「でも……他の学校の女子を連れてくるなんて、自由に遊んでるんじゃない?」


陽翔 「どうだろ、まだよくわかんないや」


梨沙 「私、帰るね、また明日、夕食要らないと判断したら早めに連絡して」


陽翔 「わかった、ごめんね、おやすみ」


陽くんは私の顎を軽く持ち、ちゅっと頬にキスをくれ、親指で頬をスリスリとさすってくれる。


1度言ってからは口唇にはしてこなくなった陽くん……


嬉しそうな陽くん


頬だけは軽くしてくる、私が思わず頬にキスしちゃってからは、お礼がわりなんだろうけど……



少し恥ずかしいのと、それが嫌じゃないのがまた私のやっかいな感情……


普通に受け入れている自分がいた。

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