帰国子女の彼と過ごす日々はきっと甘くなるだろう
〇陽翔の部屋


学校は春休みに入っていた。

学校が休みになると陽くんを起こさなくていいんだけど、夕食が要らないと言われる事が増えた。


香川くん達と遊んでるのはわかるけど……


夕食を食べてくれないのは少し寂しくて、次の日には様子を見に部屋に来てしまう


ベッドでまだ眠っている陽くんを見て部屋を出た。


梨沙 「チョコフレーク置いとくね」

小さな声で言うと部屋から出て行った。

陽翔は目を開けた。


陽翔 (ごめん、梨沙、寝たフリなんかして)


近くにいるとどうしても近づきたくなる……

だからゲームもお互いの家でする事が増えた。


手を出しちゃいけないから……

梨沙に触れたいのに……



〇遊園地


やっと先輩から連絡が来て遊園地に行くことになった。

先輩からどこ行きたいと聞かれたから遊園地と言ってしまったが、制服デートはもうできないんだと後で気づいた。

基本梨沙はインドア派だが絶叫系はゲームみたいで好きなのだ。

でも……先輩は苦手だったみたいで、私に合わせて乗ってくれてたが2つ乗ったところで気分が悪くなったみたいで、ベンチで休むことにした。

梨沙は飲み物を買ってきて渡した。


吉永 「かっこ悪いな」


梨沙 「いえ、私こそ先輩が苦手なの知らなくて」


吉永 「小さい時しか来たことなくて、平気だったと思ったんだけどな」


梨沙 「修学旅行とか行かなかったですか?」


吉永 「何かお土産ばっかり選んでいたような気がする(笑)」


話を聞くとホラー系や高いところも苦手みたいだ。

私と一緒にゲームはできないなと梨沙は思った。


まあそれは1人ですればいい訳で別に先輩に無理してゲーム好きになってもらわなくてもいいと思ってはいる。


梨沙 「先輩、今度は先輩の行きたいところに行きましょうね、どこがいいですか?」


吉永 「そうだな〜季節もよくなってきたからハイキングとかいいな」


梨沙 「お弁当作りますね」


吉永 「料理出来るんだね」


梨沙 「好きですね」


吉永 「楽しみ(笑)」


梨沙 「あの、1つ聞いてもいいですか?」


吉永 「ん?何?」


梨沙 「すみれ先輩と同じ大学になりましたけど……あの、告白とかってされました?」


吉永 「卒業式の日だったかな、ちゃんと梨沙と付き合ってるって返事したよ」


梨沙 「そうですか」


しばらくお互いの事や学校の懐かしい事を話していた。


吉永 「あっ、ごめん、親戚の人がお祝いに来てくれるから帰らなくちゃ」

時間は夕方の5時だった。



〇電車の中

吉永 「送れなくてごめんね、また連絡する」


梨沙 「はい、ありがとうございました」



〇陽翔の家の前


歩いて帰っていると陽くんの家の門から女の子が出てきた。

振り向いて手を振る方を見ると陽くんが玄関に立っていた。


私に気づくとドアを閉めた


梨沙 (家に連れ込んでたのなんて初めてだ、香川くんと同じことしてるんじゃん)


梨沙はデート後で嬉しかったのに、一気にテンションが下がってしまった。


家から出てくるってことは、やっぱりそういう事をしてるんだよね


梨沙 「はあ……付き合った事もあるって言ったから慣れてるんだろうけど……何で嫌なのかなぁ」
< 26 / 34 >

この作品をシェア

pagetop