帰国子女の彼と過ごす日々はきっと甘くなるだろう
寒さに弱い
〇ダイニング


モデルかぁ……確かに身長も顔も文句なしだもんね


ママ 「陽翔くんのママもモデルだったのよ」


梨沙 「そうなんだね」


モデルでどこかの会社の偉い人と結婚したのかな?

家も大きいし、海外で仕事なんてお金持ちと梨沙は考えていた。


ママ 「梨沙に何でも言ってね、大抵の事はできるから、陽翔くんが帰ってきても何も出来ない子だからってママが心配してたわよ」


陽翔 「梨沙……何もできない僕をよろしく」


梨沙 「またママは私を暇人みたいに言うんだから……」


パパ 「まあまあ梨沙、ほんとに陽翔くんには頼る人がいないんだから」


梨沙 「パパまで〜」


隣を見るとじーっと陽くんにお願いって言われてるような視線を感じた。

体は大きいのに、目は子犬だ。


梨沙 「わ、わかったから、ちゃんとお世話します。はい、〆は何がいい?」


梨沙はお鍋をコンロに持って行った。


陽翔 「〆?」


梨沙 「えーっと雑炊、ラーメン、おうどんがあります。」


パパ 「陽翔くんの食べたいものでいいよ」


梨沙 「じゃあ、陽くん選んで」


陽翔 「えーっとうどん?」


梨沙 「了解です」


しばらくするとテーブルにお鍋が置かれた。

また梨沙は配膳をする。


梨沙 「熱いからね」


陽翔の前に置いた。


陽翔 「フーフー……ズルズル…う、うまい!」


大きい目をさらにクリクリさせて喜んでいた


良かった(笑)


ご飯を終えるとスーツケースを持って隣に帰っていった。



〇梨沙の部屋


梨沙 「うーん…重い……」

梨沙は目を開けた。

目の前は真っ暗、まだ夜?

体を動かすと腕が回されていたようで梨沙は起き上がった


梨沙 「……びっくりしたぁ……心臓に悪い」


隣には陽翔が寝ていたのだ。


陽翔 「さっ……寒い」


梨沙は部屋の暖房を入れてめくれた布団をかける。


梨沙 「陽くん、どうやって入ってきたの?」


陽翔 「玄関、開いてたよ」


梨沙 「え?」



梨沙が携帯を見ると午前10時すぎ

そういえば、昨日パパとママは朝から大学の友達と集まることになったと聞いてたな


パパとママは大学の同級生でサークルで知り合ったのだ、まだ時々何人かで集まったりしてる。


陽翔 「梨沙……」


梨沙 「ん?」


目を瞑ったまま陽くんが話し出す。


陽翔 「来て」


言い終わると長い手が布団から出てきて、あっという間に包まれてしまった。

えっ、えっ?
何が起こってる?


陽翔 「梨沙〜温めて」


梨沙 「エアコン入れたよ」


陽翔 「エアコン、寒いよ……梨沙が温かい」


陽くんの腕は長いから私のお腹の下……いやもうほとんど股に近い。

胸も触られてるというか上を通り過ぎてる?

お願いだから動かさないで欲しい……だって誰にも触られたことがないんだもん


陽翔 「う〜ん……」


陽くんの声が耳に……

ガチガチに固まっていた梨沙、しばらくするとスースーと寝息が聞こえてきた。


陽くん、寝ちゃったよ……

動けないし、どうしよう……
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