もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
あの夜以降も蒼史さんはときどき私に夫婦の練習を求めた。
大抵はベッドの上で抱き合ったり、キスをしたりするだけで、それ以上はない。
たった二度だけの夜はあんなに熱く触れてくれたのに、夫婦の練習をするときの手つきはいつもぎこちなくこわばっていた。
気持ちがあるのならもっと違う触れ方をするんじゃないだろうか。
だからこの家に来てすぐ肌を重ねたのは愛し合っているからではなく、お互いの欲望が一致したからだと思っている。
あれも初めての夜と同じく、環境が変わることによって気持ちが高ぶったとかそんなところだろう。