もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「……詳しいな」

「乗り物が好きなんです。この間まではドクターヘリに夢中だったんですよ」

 説明している間に、優史はお気に入りのコレクションを次々に並べ始めた。

 その中の一台を手に取り、蒼史さんが口を開く。

「これなら本物を見たことがある」

「スーパーアンビュランス!」

「ああ、特殊救急車とも呼ぶ」

「いわない」

「言うんだ」

 優史は違う名前を受け入れられないらしく、顔をしかめて首をぶんぶん振っている。

 まだ別名という概念を理解するには早いようだ。

 それはそれとして蒼史さんの発言に興味を示し、目を輝かせる。

「見たの、どこ?」

「病院だな」

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