もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
薄幸ママが幸せになるまで
あの事故からひと月が経ち、私は久しぶりに家へ帰ってきた。
入院中、私と離れ離れで寂しかったらしく、優史がずっとべったりくっついて離れてくれない。
スケジュールを調整して早めに帰宅した蒼史さんを近づかせないほどだった。
「ユウくん、そんなにぎゅってしなくても大丈夫だよ」
「ママ、いたいいたいない?」
優史がぺたぺたと私のお腹の辺りを手で触る。
「パパが治してくれたからね」
私がそう言うと、優史は蒼史さんをちらっと見た。
「……おーしゃさん」
「お医者さんじゃなくてパパだよ」
「おしゃさん」