さよならの続き
仕事帰り、渚と会社近くのカフェで待ち合わせをした。
しばらくつわりが続いていてしんどそうだった渚とはメッセージでのやりとりしかしておらず、こうやって会って話をするのは久しぶりだ。

届いたばかりのフォンダンショコラにスプーンを通す。
割れた瞬間じわりとあふれ出すチョコソースが絶品で、このお店に来るときはいつも食べている。
渚はレモンタルトだ。こちらは渚の定番メニュー。

「渚、ちょっと痩せちゃったね」
「うん。でもつわりが終わったらぶくぶく太りそうで怖いよ。結婚式も控えてるのに」
「そっか、そうだね」

ふふっと笑いながら渚がタルトを頬張る。

「金井くんとはその後どうなの?」
「…変わりなく続いてるよ」

渚は、そう、と呟いてまた一欠片口に入れる。

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