さよならの続き
「星野さーん」

翌日の仕事中、軽やかな声でポンッと私の肩を叩いたのは吉岡さんだ。

「おはようございます。どうしたんですか?」
「昨夜渚にね、明日星野さんに声かけてやってほしいって言われたんだ」
「渚に?」
「明日の星野さんは元気がないはずだからって」
「え…元気、ですよ?」

吉岡さんはちょっと困ったような顔をして微笑む。

「俺にも元気なさそうに見えるよ。渚が心配するような心当たりある?」

昨日渚との間にあった出来事を考えれば、理由はひとつしか思い当たらない。
だけど、それが吉岡さんと何の関係があるというんだろう。

「…昨日渚とカフェに行った時、課長が女の人と歩いてるのを見たから、そのことだと思います」

躊躇いつつ答えると、ああ、なるほど、と吉岡さんは正解を見つけたように笑った。

「それ、俺の妹」
「妹…?」

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