さよならの続き
好きな人と結婚したら、子どもが生まれて、その成長を見守って、一緒に歳を重ねて、静かに寄り添っていく。
そういう未来を当たり前だと思っていた。
少なくとも、航平と付き合っていたあの頃、私はそうなるものだと信じていた。
だけど、今互いに同じ気持ちで想い合っていても、私たちに明るい未来はないのかもしれない。
じゃあ別の人とそんなふうに歩んでいける人生を考えたほうがいいの?
それは私にとって幸せなの?
私はあんなにやさしい陽太とでさえ、未来を描けなかったのに。

頭が混乱した状態のまま、いつの間にかマンションへとたどり着いた。
部屋に入ってバッグを放り投げ、電気もつけずそのままうずくまった。

『君に幸せでいてほしい』

どんな気持ちでそんなことを言っていたの。
想像すればするほど、涙が止まらなかった。

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