さよならの続き
いつの間に眠っていたんだろう。
重い瞼を開いて首を左右に振ると、陽太がソファで丸くなって眠っているのが見えた。
体勢をずらしたら、シーツの音に反応して陽太がすっと目を開けた。
「…あ、おはよ。有梨」
「おはよう、陽太。私、迷惑かけた…?」
「いや、泣き疲れて寝ちゃったから布団に運んだだけだよ」
じゅうぶん迷惑をかけている。
別れたばかりの元彼に、私はなんてことをしているんだろう。
「ごめんね。こんなつもりじゃ…」
「謝るなよ。今日は有給取って休めば?目、大変なことになってるし」
きっと私の目は、先日のメガネの日よりさらに悲惨な状態になっているだろう。
鏡を見なくてもわかる。
有休か。それもいいかもしれない。
買い物でもして、おいしいものを食べて、お酒を飲んで…
それで一時でも、航平を忘れることができるだろうか。
「有梨」
「ん?」
「誕生日おめでとう」
陽太が微笑み、私は棚にある卓上カレンダーに目をやった。
「今日って…」
「6月18日。有梨の誕生日だよ」
すっかり忘れていた。
いつの間にか、私は30代の仲間入りをしていたのだ。
重い瞼を開いて首を左右に振ると、陽太がソファで丸くなって眠っているのが見えた。
体勢をずらしたら、シーツの音に反応して陽太がすっと目を開けた。
「…あ、おはよ。有梨」
「おはよう、陽太。私、迷惑かけた…?」
「いや、泣き疲れて寝ちゃったから布団に運んだだけだよ」
じゅうぶん迷惑をかけている。
別れたばかりの元彼に、私はなんてことをしているんだろう。
「ごめんね。こんなつもりじゃ…」
「謝るなよ。今日は有給取って休めば?目、大変なことになってるし」
きっと私の目は、先日のメガネの日よりさらに悲惨な状態になっているだろう。
鏡を見なくてもわかる。
有休か。それもいいかもしれない。
買い物でもして、おいしいものを食べて、お酒を飲んで…
それで一時でも、航平を忘れることができるだろうか。
「有梨」
「ん?」
「誕生日おめでとう」
陽太が微笑み、私は棚にある卓上カレンダーに目をやった。
「今日って…」
「6月18日。有梨の誕生日だよ」
すっかり忘れていた。
いつの間にか、私は30代の仲間入りをしていたのだ。