さよならの続き
空は抜けるような青。
いつか彼と見た海は、それを鏡に映すように生き生きときらめく。
例年よりも短い梅雨が明け、一気に気温が上がった。
真夏日だけど、海辺は風が心地よく吹いて過ごしやすい。

よかった。
私の勘は間違っていなかった。
彼の経歴とスキルなら雇ってくれる会社はたくさんあるだろうから、すでに別の仕事が決まって働いているかもしれないと思った。
実家に戻っているとしても、私はその場所を知らないし、雨が降っている間はきっとここには来ない。
だからだいぶ不安だったのだ。
それでも、神様がもう一度いたずらを仕掛けてくれることを祈って2週間待った。


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