さよならの続き
私、星野有梨(ほしのゆり)は29歳。今年30歳になる。
丸顔に丸い目のせいか歳のわりに童顔に見られがちなのがコンプレックスだ。
ブラウンのロングヘアを簡単なアレンジを加えて一つに結い、スプリングコートを羽織って玄関を出る。
ドアを開けた瞬間の冷気に、思わず身を縮めた。
……さむ。
昼間は春の陽気だったけど、今はきっと5度もないくらいだろう。
3月下旬、昼夜の寒暖差はまだまだ激しい。
エレベーターを降りると、駐車場の空きスペースに彼――金井 陽太(かない ようた)のブルーのセダンが停まっている。
「お待たせ、お疲れ様」
「うん、お疲れ」
ドアを開ければ車内のライトが光って、運転席の陽太が微笑む。
乗り込んでシートベルトを着けると、静かなエンジン音で車が発進した。
外に出ていた短時間の間に冷えた手をこすり合わせる。
車内は暖房が効いていて、私の部屋よりもあたたかいくらいだ。
丸顔に丸い目のせいか歳のわりに童顔に見られがちなのがコンプレックスだ。
ブラウンのロングヘアを簡単なアレンジを加えて一つに結い、スプリングコートを羽織って玄関を出る。
ドアを開けた瞬間の冷気に、思わず身を縮めた。
……さむ。
昼間は春の陽気だったけど、今はきっと5度もないくらいだろう。
3月下旬、昼夜の寒暖差はまだまだ激しい。
エレベーターを降りると、駐車場の空きスペースに彼――金井 陽太(かない ようた)のブルーのセダンが停まっている。
「お待たせ、お疲れ様」
「うん、お疲れ」
ドアを開ければ車内のライトが光って、運転席の陽太が微笑む。
乗り込んでシートベルトを着けると、静かなエンジン音で車が発進した。
外に出ていた短時間の間に冷えた手をこすり合わせる。
車内は暖房が効いていて、私の部屋よりもあたたかいくらいだ。