さよならの続き
「どこに行こうかな」
ハンドルを握り、楽し気に車を走らせる航平。
確かにお世話になったし、たくさん迷惑をかけたんだから、お礼をするのは当然のことだ。
待っているからシャワーをして着替えて来いと言われ、戸惑いつつもそれに従ったけど、彼の気持ちがさっぱりわからない。
下心があるようには全く見えない。
実際、一緒に眠っていたのに彼は何もしてきていないし、しようとする素振りも見せなかった。
それなのに、どうして『デート』に誘うんだろう。
太陽はもうてっぺんにある。
雲に遮られず地上に光を届け、暑いくらいの気温だ。
車窓の景色が流れるように変わる。
ぽつりぽつりと昨夜の話や名古屋にいた時の話をしながら1時間ほど。
通り過ぎる案内標識を見ているうちに、どこへ向かっているのか気づいた。
昔よくデートで来ていたみなとみらいだ。