さよならの続き
「…課長は幸せですか?」
ほんの一瞬、表情が翳った気がした。
だけど、次の瞬間には朗らかな笑顔に変わった。
「幸せだよ、今は。彼氏には悪いけど、今日の君の時間は俺がもらう。有梨」
不意打ちの名前呼びに鼓動が跳ねる。
「有梨、こっち」
航平は手招きをしながら先に進む。
ゆっくりとそれについて行った。
通りから臨港パークへ出て、カーブを描く海沿いを歩く。
水面がゆらゆら揺れて煌めく。
風を浴びて気持ちよさそうに目を細めるその姿は、いつかの思い出と重なった。
陽太とは一度もみなとみらいへ来たことがなかった。
だから私もここに来るのはずいぶんと久しぶりで、どこか工事をしたのかどうかはわからない。
だけど、今度来たときは乗ってみようと言いながら一度も乗ったことのなかった大きな観覧車は、相変わらずその場所で時を刻んでいた。
ほんの一瞬、表情が翳った気がした。
だけど、次の瞬間には朗らかな笑顔に変わった。
「幸せだよ、今は。彼氏には悪いけど、今日の君の時間は俺がもらう。有梨」
不意打ちの名前呼びに鼓動が跳ねる。
「有梨、こっち」
航平は手招きをしながら先に進む。
ゆっくりとそれについて行った。
通りから臨港パークへ出て、カーブを描く海沿いを歩く。
水面がゆらゆら揺れて煌めく。
風を浴びて気持ちよさそうに目を細めるその姿は、いつかの思い出と重なった。
陽太とは一度もみなとみらいへ来たことがなかった。
だから私もここに来るのはずいぶんと久しぶりで、どこか工事をしたのかどうかはわからない。
だけど、今度来たときは乗ってみようと言いながら一度も乗ったことのなかった大きな観覧車は、相変わらずその場所で時を刻んでいた。