さよならの続き
ソファの端には読みかけの雑誌。
テーブルには朝飲んだと思われるコーヒーのカップ。
本棚に入りきらない漫画が棚の上に積まれている。
雑然とした部屋はいつも通りなのに、どうしてなのか違和感を覚える。
「有梨、ペットボトル冷やしとく?」
「ううん。喉乾いたから飲む」
ペットボトルのアイスティーを受け取り、喉を潤しながら気づいた。
昨日の航平のシンプルな部屋を思い出したのだ。
引っ越してきたばかりだと言っても、名古屋にいたときの家具がもっとあってもおかしくないのに。どうして……
「有梨」
ハッとして陽太の姿を探した。
陽太は斜め向かいに座って訝しげな顔をしている。
「ごめん。ぼーっとしてた」
「なんかおかしいのは有梨も一緒じゃん」
笑ってくれてホッとしたのもつかの間、急に真面目な顔つきになった陽太が、じっと私を見つめる。
「安田からメッセージがきてた。新しい課長が酔った有梨を送って帰ったって」
全身が急激に冷えた。
テーブルには朝飲んだと思われるコーヒーのカップ。
本棚に入りきらない漫画が棚の上に積まれている。
雑然とした部屋はいつも通りなのに、どうしてなのか違和感を覚える。
「有梨、ペットボトル冷やしとく?」
「ううん。喉乾いたから飲む」
ペットボトルのアイスティーを受け取り、喉を潤しながら気づいた。
昨日の航平のシンプルな部屋を思い出したのだ。
引っ越してきたばかりだと言っても、名古屋にいたときの家具がもっとあってもおかしくないのに。どうして……
「有梨」
ハッとして陽太の姿を探した。
陽太は斜め向かいに座って訝しげな顔をしている。
「ごめん。ぼーっとしてた」
「なんかおかしいのは有梨も一緒じゃん」
笑ってくれてホッとしたのもつかの間、急に真面目な顔つきになった陽太が、じっと私を見つめる。
「安田からメッセージがきてた。新しい課長が酔った有梨を送って帰ったって」
全身が急激に冷えた。