さよならの続き
考えを巡らせていたら、また電話が鳴った。
画面に表示されたのは、今まさに考えていた医事情報管理課の文字。
十中八九、私宛であることは間違いない。
「はい、医事営業部五区の星野です」
「医事情報管理課ですけど」
久しぶりに聞いたハスキーで威圧感のある声に萎えた。これはどう考えてもお局様だ。
「なんの件だかわかるわよね?」
「はい、申し訳ありません」
「困るんですよねえ。こんな初歩的なミスして、病院にもMRにも迷惑がかかるわけでしょう?」
「はい、すみません」
こちらが悪いだけにひたすら謝るしかない。
彼女の説教と嫌味に付き合うのは慣れているため、うまい具合に右耳から左耳へ抜けていくのはありがたい。
数分それに付き合い、電話を切ってから唸りながら考える。
システムのマニュアルのPDFを開いても、こんなイレギュラーな件の対処法は書いていない。
MRが持ち歩いているタブレットから、こちらで入力したものがどのように表示されているのかもわからない。
システムの知識とMRの知識、両方持っている人でないと話が通じない。
係長に報告をしたけど、彼はMRじゃなく事務方の人間だ。
「俺にはよくわからないなあ」と全く動いてくれる様子もない。
課長席に目をやる。
もう頼れる相手はひとりしかおらず、躊躇している場合ではなかった。
画面に表示されたのは、今まさに考えていた医事情報管理課の文字。
十中八九、私宛であることは間違いない。
「はい、医事営業部五区の星野です」
「医事情報管理課ですけど」
久しぶりに聞いたハスキーで威圧感のある声に萎えた。これはどう考えてもお局様だ。
「なんの件だかわかるわよね?」
「はい、申し訳ありません」
「困るんですよねえ。こんな初歩的なミスして、病院にもMRにも迷惑がかかるわけでしょう?」
「はい、すみません」
こちらが悪いだけにひたすら謝るしかない。
彼女の説教と嫌味に付き合うのは慣れているため、うまい具合に右耳から左耳へ抜けていくのはありがたい。
数分それに付き合い、電話を切ってから唸りながら考える。
システムのマニュアルのPDFを開いても、こんなイレギュラーな件の対処法は書いていない。
MRが持ち歩いているタブレットから、こちらで入力したものがどのように表示されているのかもわからない。
システムの知識とMRの知識、両方持っている人でないと話が通じない。
係長に報告をしたけど、彼はMRじゃなく事務方の人間だ。
「俺にはよくわからないなあ」と全く動いてくれる様子もない。
課長席に目をやる。
もう頼れる相手はひとりしかおらず、躊躇している場合ではなかった。