さよならの続き
入念に確認作業を繰り返し、全て終わったのは1時過ぎだった。
課長席では航平がまだパソコンに向かっている。
仕事はいくらでもあるというのは本当なんだろう。
MRだって忙しいけど、管理職ともなればさらに忙しい。
係長は全部部下に丸投げするからほぼ残業もせずに帰っていくけど、航平はそんな無責任なことをするタイプではないのだ。
モニターの光に照らされている航平の顔をぼんやりと見ていたら視線がぶつかって、終わった?と彼は微笑んだ。

「ちょっと待ってて」

航平は少しパソコンを打ったあと、バッグを持って立ち上がる。
私もバッグを手に立ち上がった。
航平の一歩後ろを歩き、通用口へと向かう。

「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「いや、おかげで俺も仕事が進んだから」


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