さよならの続き
冒険できない私たちはいつも同じお店のローテーション。
今日は陽太のマンションからほど近い、イタリアンの店だ。
それぞれ本日のおすすめパスタをオーダーする。
先に届いたアンティパストとノンアルコールのドリンクで乾杯。
アンティパストのキャロットラペを食べている間に、彩りのいい春野菜のペペロンチーノが届いた。
フォークにくるくると巻きつけて食べながら、陽太がくぐもった声で言う。
「内示が出た。俺、医事営業部3区に異動」
「…そっか。やっぱり異動になっちゃうんだね」
例外はあるものの大体3年周期で異動になるため、丸3年5区にいた陽太はきっとこの春異動になるだろうと予想していた。
全国各地に点在する支社に異動にならないだけまだいい。
だけど、今までは同じ部署にいて毎日顔を合わせていたから、いなくなるのはさすがに寂しい。
私が浮かない顔に見えたのか、伸びてきた手が私の頬をムニッとつまむ。
切れ長の一重がくしゃっと笑った。
「そんな顔すんな。会えなくなるわけじゃないんだし」
「…うん」
頬をつままれたまま、微笑みを返した。
今日は陽太のマンションからほど近い、イタリアンの店だ。
それぞれ本日のおすすめパスタをオーダーする。
先に届いたアンティパストとノンアルコールのドリンクで乾杯。
アンティパストのキャロットラペを食べている間に、彩りのいい春野菜のペペロンチーノが届いた。
フォークにくるくると巻きつけて食べながら、陽太がくぐもった声で言う。
「内示が出た。俺、医事営業部3区に異動」
「…そっか。やっぱり異動になっちゃうんだね」
例外はあるものの大体3年周期で異動になるため、丸3年5区にいた陽太はきっとこの春異動になるだろうと予想していた。
全国各地に点在する支社に異動にならないだけまだいい。
だけど、今までは同じ部署にいて毎日顔を合わせていたから、いなくなるのはさすがに寂しい。
私が浮かない顔に見えたのか、伸びてきた手が私の頬をムニッとつまむ。
切れ長の一重がくしゃっと笑った。
「そんな顔すんな。会えなくなるわけじゃないんだし」
「…うん」
頬をつままれたまま、微笑みを返した。