さよならの続き
気が緩んで一気に疲れが出たのか、頭が上手く回らない。
だけど、航平から借りたTシャツとパンツはなんだか懐かしい匂いがして、私の心を落ち着かせてくれる。
壁に寄りかかって、航平がいれてくれたコーヒーをすすった。
相変わらず何もない部屋で、フローリングだからお尻が痛い。
航平は少しだけ距離を置いて私の隣に座り、落ち着いた?と問いかける。
頷いて、もう一度コーヒーをすする。
温かい液体が胃に流れ込んできて、冷えていた身体はもうじゅうぶん体温を取り戻している。
「だいぶ時間が経ったから、そいつはもういないだろうな。でも、警察に相談したほうがいい。他にも被害者が出るかもしれないし。防犯ブザーも必要だな」
彼は自分用に持ってきたコーヒーをあっという間に飲み干し、テーブルに置いた。
「もう少ししたらマンションに服を取りに戻ろう。そのまま彼氏の家まで送るよ。案内できる?」
「…航平っ」
立ち上がろうとした彼の服を、思わず掴んだ。
中身のなくなったコーヒーカップがカラカラと音を立てて転がる。
「ここにいて」
面食らったような顔をする航平を見て、自分が彼を名前で呼んでしまったことに気づいた。
急に頭が冷静に回転し始めて、掴んでいた手をパッと離した。
私の動揺を察しているのか、航平はゆっくりとしゃがんで、柔和な笑みを向ける。
「わかったよ。じゃあ明日の朝早くマンションまで送るよ。仕事の前に着替えはしなきゃいけないだろ」
だけど、航平から借りたTシャツとパンツはなんだか懐かしい匂いがして、私の心を落ち着かせてくれる。
壁に寄りかかって、航平がいれてくれたコーヒーをすすった。
相変わらず何もない部屋で、フローリングだからお尻が痛い。
航平は少しだけ距離を置いて私の隣に座り、落ち着いた?と問いかける。
頷いて、もう一度コーヒーをすする。
温かい液体が胃に流れ込んできて、冷えていた身体はもうじゅうぶん体温を取り戻している。
「だいぶ時間が経ったから、そいつはもういないだろうな。でも、警察に相談したほうがいい。他にも被害者が出るかもしれないし。防犯ブザーも必要だな」
彼は自分用に持ってきたコーヒーをあっという間に飲み干し、テーブルに置いた。
「もう少ししたらマンションに服を取りに戻ろう。そのまま彼氏の家まで送るよ。案内できる?」
「…航平っ」
立ち上がろうとした彼の服を、思わず掴んだ。
中身のなくなったコーヒーカップがカラカラと音を立てて転がる。
「ここにいて」
面食らったような顔をする航平を見て、自分が彼を名前で呼んでしまったことに気づいた。
急に頭が冷静に回転し始めて、掴んでいた手をパッと離した。
私の動揺を察しているのか、航平はゆっくりとしゃがんで、柔和な笑みを向ける。
「わかったよ。じゃあ明日の朝早くマンションまで送るよ。仕事の前に着替えはしなきゃいけないだろ」