さよならの続き
ゴールデンウイーク初日。
大混雑の新幹線も、事前に指定席を取っておいたおかげで座ることができ、2時間の距離を寝ながら過ごした。
タクシーで実家へ行くと、居間には姉と姪っ子のひよりの姿があった。

「おかえりー」
「ただいま。わー!ひーちゃん大きくなったねえ」

おぼつかない足取りで歩いていたひよりが、立ち止まって私をじっと見つめた。
ひよりは1歳2か月。
姉とは仲がいいから動画をよく送ってもらうけど、実際に会うとその成長ぶりに感動する。
正月に会った時はまだハイハイもしていなかったのだ。

「ひーちゃん。おばちゃんのこと覚えてる?」

しゃがんで声をかけたけど、そっぽ向いてよたよたと歩いて行ってしまった。

「さすがに覚えてないかあ」
「このくらいの月齢じゃ、まだね」
「私はひよりに会えるの楽しみにしてたんだけどな」
「あんた子ども好きだもんね。産んじゃえばいいじゃない」
「産んじゃえばって簡単に言うけど…」

姉が「ん?」と首を傾げ、眉間にしわを寄せる。

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