死神のマリアージュ
初めて見る顔・・・のはず。
おそらく高等部から慶葉に編入した「入試組」なのだろう。
ということは・・この男子、頭いい。

そしてこの人は、私と同じ列にいた。
ということは、私と同じ、特進クラスの男子生徒なのだろう。
てことは、やっぱり頭いいんだ・・・。

その男子生徒は、私を軽々と姫抱っこすると、列を抜け出して保健室のほうへ歩き出した。

「ぁの・・」

いくらこんなに近くても、声が聞こえてないかもしれないと思った私は、男子の注意を引くために、私の顔近くにある、制服のネクタイをギュッと引っぱってみた。
それもあまり力が入らなかったけど、気づいてくれたようだ。良かった・・・。
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