死神のマリアージュ
「いつも思ってたけど、忍くんと雅希ってホント仲良いよね~」
「一緒に住んでる家族なら、お互いに仲良くしたいと思うでしょ。服の貸し借りとか普通にできるし」
「俺のジーンズを“強引に”借りたくせによく言う・・」
「そうなの雅希!?どーりでなんか、サイズ合ってないと思ったのよねぇ」
「てか“イケメンのジーンズを強引に借りて着るイケ(じょ)”というシチュエーションがすっごく萌ゆ萌ゆ~!」
「ちなっちゃん、恋愛ネタっぽく言わないで」
「違うよ雅希。ちなっちゃんにとっては、なんでも恋愛ネタになっちゃうんだよ」
「あ、そっか」
「でもさ、気軽に服の貸し借りができる関係って仲が良い証じゃん」
「みんな“強引”を忘れてね?俺には拒否権なかったんだからなっ」
「それでも貸してくれた忍は優しいよ」「やっぱ神谷の女はつえぇ・・・」
「てか忍っ!雅希にジーンズを貸したらダメだろ!」「ダメ出しそこ!?」
「そーだぜー。こーゆーとき、女子はスカートはいてきてほしい、ってのが男の心理であり真実なんだよ。だから親愛なる女子どもよ、よおく憶えとけ!デートのときは絶対スカート!できれば丈は短めで!これ鉄則アンド鋼の掟だ!俺が言うんだから間違いない!」
「てかさ、それ白虎の好みと願望を、そのまま押しつけてるだけじゃない」
「いや、そんなことないぜ。男側から見れば、スカートはいてるってだけでその女子はポイント高いんだから。基本、ズボンしかはく余地のない男に比べると、その点女子は得してると思わないか?」
「なんつー論点」「サイドから攻める、みたいな?」
「それにな、俺たちって学園ではスカート姿の女子を見ることができないだろ?」
「慶葉女子生徒の制服はキュロットだものねえ。ヨッシーくんが嘆きたくなるのも分かるわ。ほんの少しだけ、だけど」という、最後のほうのユキオくんの呟きは、ヨッシーには聞こえてなかったみたいだ。
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