死神のマリアージュ
「ただ、ときどきね、お母さんに会いたいなって思うときがある。おばさんたちじゃなくて、お母さんに料理教えてもらいたかったって思ってしまうときもある。気分悪くなったときとか寝込んだとき、お母さんに看病してほしいって思ってしまうときもある。洋服だってお母さんと一緒に買いに行きたいとか・・・ときどき思う。おばさんたちのことはみんなお母さんみたいに思ってるし、おばさんたちも私のことを自分たちの子どもたちと分け隔てなく育ててくれてるのに。隔ててるのは私のほうだよね」
「俺さ、子どもって父親よりも母親に、より強いつながり持ってると思うんだ。だって将来極悪非道になってしまったひでえヤツでも、人はみんな母親から生まれてくるんだぜ。しかも生まれるまで母親の中で育つんだからな。そう考えると母親って最強じゃね?だからさ、おまえがお母さんに会いたいと思うのは当たり前だと俺は思う。おまえが真希おばさんの母親としての存在を知らなくても、絆は魂に記憶済だって証拠だよ」
「うん。そうだね・・・私、きょうだいたちに自分のお母さんに甘えることを遠慮させてないかな」
「うーん。結とか良臣とか清志とか肖斗みたいな、まだ初等部の連中はまあ、そういうときもあるかもしれねーけど、俺はまーが言うような“遠慮“はしてねえよ。おまえにはそう見えるんか」
「正直言うと分かんない」
「それでいいじゃん」「え」
「“分かんない”でいいじゃんか。つまり俺もおまえも霊力高いけど、他人の思考までは読めないってことだろ?だからまーもこれまでどおり、俺の母さんやおばさんたちに甘えりゃいいじゃん。確かにおばさんたちは真希おばさんじゃないから、まーの母親とは微妙に違うけど、それでも“うちには母親いっぱいいる”でいいじゃん。“俺にも母親いっぱいいる”ってことになるし。きょうだい同士でも遠慮したり気を使ったりするのも当たり前よ。だって俺ら一緒に住んでる家族だろ?大切にしたいと思う人をわざわざ傷つけたり悲しい思いはさせたくないじゃんか。だからこれからも“いとこ同士だけどきょうだい同士”で仲良くしていけばいい。そしておまえは、叔父さんおばさんきょうだいみんなに甘えていいし、頼ってもいい。たとえ料理ができなくても、まーは家族の一員。だからおまえはおまえのままでいい。“自分が作った料理をみんなが喜んで食べてくれることが嬉しい”で終わり。あとの“役に立ってる”とかなんとかはいらねえから。そういうことは考えなくていいっての。分かったか?」
そう忍に言われた私は、コクンと頷いた。
「俺さ、子どもって父親よりも母親に、より強いつながり持ってると思うんだ。だって将来極悪非道になってしまったひでえヤツでも、人はみんな母親から生まれてくるんだぜ。しかも生まれるまで母親の中で育つんだからな。そう考えると母親って最強じゃね?だからさ、おまえがお母さんに会いたいと思うのは当たり前だと俺は思う。おまえが真希おばさんの母親としての存在を知らなくても、絆は魂に記憶済だって証拠だよ」
「うん。そうだね・・・私、きょうだいたちに自分のお母さんに甘えることを遠慮させてないかな」
「うーん。結とか良臣とか清志とか肖斗みたいな、まだ初等部の連中はまあ、そういうときもあるかもしれねーけど、俺はまーが言うような“遠慮“はしてねえよ。おまえにはそう見えるんか」
「正直言うと分かんない」
「それでいいじゃん」「え」
「“分かんない”でいいじゃんか。つまり俺もおまえも霊力高いけど、他人の思考までは読めないってことだろ?だからまーもこれまでどおり、俺の母さんやおばさんたちに甘えりゃいいじゃん。確かにおばさんたちは真希おばさんじゃないから、まーの母親とは微妙に違うけど、それでも“うちには母親いっぱいいる”でいいじゃん。“俺にも母親いっぱいいる”ってことになるし。きょうだい同士でも遠慮したり気を使ったりするのも当たり前よ。だって俺ら一緒に住んでる家族だろ?大切にしたいと思う人をわざわざ傷つけたり悲しい思いはさせたくないじゃんか。だからこれからも“いとこ同士だけどきょうだい同士”で仲良くしていけばいい。そしておまえは、叔父さんおばさんきょうだいみんなに甘えていいし、頼ってもいい。たとえ料理ができなくても、まーは家族の一員。だからおまえはおまえのままでいい。“自分が作った料理をみんなが喜んで食べてくれることが嬉しい”で終わり。あとの“役に立ってる”とかなんとかはいらねえから。そういうことは考えなくていいっての。分かったか?」
そう忍に言われた私は、コクンと頷いた。