死神のマリアージュ
「ワタシが作りましょうか」
「ううん。私に任せといて。コーヒーと紅茶淹れるのは私の得意分野だから」
「そうだったわね。じゃあミヤコちゃんにお願いするわ」「ありがと、ユキおじさん」
「私も手伝うよ」「私も~」「私はキッチンカウンターで見てるだけでいい?」
「もちろんいいよ!じゃあ来たい人はキッチンカウンターのほうへお越しくださ~い。どっちにしても、できあがったらここに運ぶからね」

私もキッチンへ行こうと、座ったばかりのソファからまた立ち上がったとき、私の目の前に再びビジョンが現れた。

――数年後、とはいってもたぶん19か20歳(はたち)くらいの外見をした私は、少し楕円がかった丸い光の玉を抱いている。まるで母親が赤ちゃんを抱っこしているように。そして私の隣には、やっぱり数年後(私と同じだけ年を取った)界人がいる。
数年後の界人は最初に、光の玉にそっと触れた後、数年後の私を見て微笑んでいた―――。

「・・・きー。ねえまさきってばー。どしたの」
「・・・なんでもない。行こ」
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