死神のマリアージュ
よるちゃんの提案でキッチンカウンターに集まったのは、結局女子だけだった。

「なんか、おうちカフェみたいだね」「ホント~」
「いらっしゃいませ!“よるカフェ”にようこそ!」「“よるカフェ”いいね~!」
「エプロンつけるんだ」「なりきるための必需品よ」「本格的!」
「よるちゃんって、コーヒーとか淹れるの得意なの?」
「得意かどうかは分かんないけど、淹れるのが好きなのよ。元々私、紅茶が好きでね、そこからいろいろ凝り始めて・・。ええっと、コーヒーブラックは飲めない人がいるんだったら、ミルクがたっぷり入ったカフェラテも作るよ~」
「私ラテがいい!」「私も!」「俺もラテ頼む!」「俺も!」
「オッケー!実は私、最近ラテアートにハマッてるんだー」
「ミルクでクマさんとか作るアレ?」
「クマはまだ作れないレベルだけどうん、まあそんな感じ」とよるちゃんが言ったのをきっかけに、結局全員ラテアート付きのカフェラテを、“よるカフェ”に頼んだ。

二回目のビジョンは、ついさっき視えた最初のと年(月)は同じくらい先の未来だったけど、内容は全然違ってた。

数年後に病死する私と、同じく数年後に界人と結婚して赤ちゃんを授かる元気(健康)な私―――。
・・・もし私が数年後に病死すると分かっても、それでも私と一緒にいたいって・・・界人ならそう言ってくれるだろうし、実際そうしてくれるはず。

でも私は嫌。
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