死神のマリアージュ
・・・まだ来てない。
やっぱり時間が早過ぎたかな。
後で出直そう。でも「後」って昼休みになるから人(生徒)多いし・・だからまだ人が少ない朝の、この時間帯に来たんだけど。
まあいいや。今ここでいろいろ考えても解決策は思い浮かばないし。
きよみ女史もまだ来てないようだから、ひとまず自分の教室に行こう。
と思って踵を返そうとした途端、早速、教室内にいた数少ない先輩生徒たちの注目を集めてしまったうえ、全然知らない男子の先輩たちが私のところに来てしまった。

その中の一人から、「神谷雅希嬢だよな?1年特進の」と言われた私は。反射的に一歩後ずさっていた。

なんでこの人は私のフルネームを知ってるんだろ・・・いや、それ以上に気味が悪いのは、「どうやってこの人は、私のフルネームを知ったのか」だ。

一方で、男子の先輩たちは、そんな私の様子に構うことなく、「どうしたの~?もしかして俺に用があるとか?」「いや俺じゃね?」「俺だってば」と、各自勝手に言い始めた。
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