死神のマリアージュ
そうこうしているうちに、今日からゴールデンウィークが始まった。
親がお金持ちの子が多く通う慶葉学園では、ゴールデンウィークくらいの休み期間中、国内外にプチ旅行か、家族が所有する別荘へ行く人が多い。
梅雨前の春の終わりという今の季節は、確かに避暑地的な場所では快適に過ごしやすいだろう。
私も過去何度かゴールデンウィーク期間中、じいちゃんの別荘で過ごしたことがある。
オカルト小説家だったじいちゃん(父さんのお父さん)は、別荘で小説を執筆していたこともあったし、たまにフラりと出かけては、そこで数日から1・2週間くらい過ごしていたこともあった。

(三年前にじいちゃんが亡くなった)現在も、その別荘は売ったり取り壊すこともなく、そのままの形で所有している。
じいちゃんがこよなく愛した場所(別荘)だからという理由もあるけれど、そこも私が住んでる家と同じく「神聖で良い気が巡る場所」だからだ。
高い霊力を持つ人にとって、そういう場所は安心して過ごせる場所になるし、何よりその「神聖さ」とか「良い気」を絶やさずに「巡らせ続ける」ためにも、私たちでその場を保護や調整をしたり、定期的に浄化もする必要がある。
だからといって、私が住んでる家みたいに、「神谷家の家族や親せき等の関係者か、生涯のパートナーになる人だけが中に入ることを許される」というような厳しいルールは、別荘にまで設けてはいない。
「別荘」というだけあって辺鄙なところにあるせいか、元々人気や人の出入りは少ないほうなので、「人」によって邪気が持ち込まれることは、ほぼないと言っていいから。
それに「別荘」だから、誰も住んでいないときもある。
でも場所が離れているから、神谷家の誰かがしょっちゅうチェックしに行くわけにもかないので、別荘の管理は他の人に委託している。
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