死神のマリアージュ
私は積もった雪を集め持つように、雪のように真っ白なマグカップの横を持った。
マグカップはまだ温かい。カップの中に四分の三ほど入っている黒に近い焦げ茶色のコーヒーからは、まだ湯気が立ち上っているくらいに。
試しに一口飲んでみると、ちょうど飲みやすい温度になっていた。
暖かいコーヒーが体の中を通っていくのを感じる。いい気持ち・・。

もちろん界人が私にプロポーズしてくれたことを覚えてるし、「私にまた会うため」に、こっちに戻ってきてくれた。今度はご両親と離れ、単身で。
それでも・・まだ15歳の高校1年生だからこそ、界人には選択肢がある。
「顔良し・ガタイ良し・性格良し」な界人は、学園内(と、おそらく外)でモテまくってる男だから、つき合う彼女は自分で選ぶことができる。ていうか、彼女候補はたくさんいるだろう。私よりも選択肢は広いはず。
いまだに毎日告白されてるのがその証拠だ。

TAKUのコーヒー、美味しいな。濃過ぎず薄過ぎなくてちょうどいい。
私はまた何口かコーヒーを飲んだ。
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